知らないでは済まされない!従業員・人材募集で必要な法律のポイント

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知らないでは済まされない!従業員・人材募集で必要な法律のポイント
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ご存じですか?人材募集でこのような表記は全て法律的にNGです!

「主婦歓迎」「女性向きのお仕事です」「40歳以下限定」「20代以上歓迎」「若い方歓迎」「やる気のある方歓迎」「簿記に熱意のある方」「明るく接客できる方」「体力ある方歓迎」「日本国籍の方」「髭・長髪NG」「元気に営業が出来る方」「転勤可能な方」「ウエイトレス」「セールスマン募集」

これを見て、「どこかひとつでも心当たりがある」と感じられた採用担当者の方がいらっしゃいましたら、それこそこの記事を見る価値があります。

もし、「そんなこと全て知ってる」という方であれば、人材募集における法的な知識は相当ご存じの方かと思いますが、念のために続きを読まれることをお勧め致します。

「主婦歓迎」で募集するのはNGです。

「男女雇用機会均等法」では募集対象から男女のいずれかを排除すること、あるいは男女のいづれかを優先させることを禁止しています。

■男女雇用機会均等法 第一章第5条

事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない

このため、性別を想起させる表記を用いて人材募集をすることは一部の例外を除いて基本的に禁止されています。

東京労働局 男女雇用機会均等法のルール

この東京労働局のパンフレットからも「主婦歓迎」「女性向きのお仕事です」等の表記で人材を募集することは法律に違反することがわかります。
「女性向きの仕事」という表現は女性を誘導していると解釈されますので男女雇用機会均等法として違反になります。

「転勤可能な方」という表現は一見すると性別と関係ないと思われるかもしれませんが、上記の東京労働局の解説にも書かれている通り、転勤可能かどうかによって男女の間接差別につながるとされています。そのため、転勤という言葉がたとえ法律の条文に明記されていなくとも、転勤可能かどうかを採用時に尋ねることは男女雇用機会均等法に抵触します。

また、「セールスマン」「ウエイトレス」というのも、男性や女性を想起させる仕事となりますので、募集にあたっては男女雇用機会均等法に抵触します。

「40歳以下限定」で募集するのはNGです。

雇用対策法では、人材を募集するにあたって年齢制限をすることを禁止しています。

雇用対策法 第十条

事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。

このため、年齢や年代を元にして募集を制限することは基本的に禁止とされています。
採用担当者の方は念のために以下のリーフレットをご一読されることをおすすめします。

厚労省から事業者へ向けた年齢制限のリーフレット

ただし、上記のリンク先でも説明されている通り、年齢制限には例外があり、たとえば、定年が50歳で50歳以下限定で募集する場合など、雇用対策法やその他の法律で年齢制限が認められた場合に限り年齢制限の表記は問題ないとされます。
詳しくは「雇用対策法施行規則 第一条の三 三項のイロハニ」を直接ご確認ください。

雇用対策法施行規則

よって、「40歳以下限定」「20代以上歓迎」「若い方歓迎」という表現で人材を募集するのは雇用対策法施行規則、あるいはその他の法律で認められた場合でない限り、すべて雇用対策法に違反することになります。

「日本国籍の方」で募集するのはNGです。


職業安定法では、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業等で求職者を差別することを禁止しています。

職業安定法 第一章第三条

何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等について、差別的取扱を受けることがない。但し、労働組合法の規定によつて、雇用主と労働組合との間に締結された労働協約に別段の定のある場合は、この限りでない。

そのため、「外国人不可」「日本国籍の方」という表記を人材募集時に使うことは禁止されています。
また、「髭・長髪NG」も差別的取り扱いに該当しますので禁止とされています。

「やる気のある方歓迎」で募集するのは何故だめなのか?


さて、ここからがいよいよクライマックスに近づいてきます。
職業安定法や雇用対策法からも、求職者を制限したり差別したりしてはならないとされています。

そこで、厚労省や労働局では求職者を採用するにあたり「客観的な基準」を示して採用することを求めています。
私が東京労働局に直接問い合わせてみたところ、以下のような回答をいただきました。

東京労働局の方のご回答

基準があいまいな言葉を使うことはNGです。採用の条件にするためには客観的な基準である言葉を使う必要があります。
基準があいまいであれば、採用基準を恣意的なものに変えられるからです。

「やる気のある方」「明るい人」「元気な人」というのは主観的なものであり、同じ人であっても「暗い」と思う人もいれば「明るい」と思う人もいるでしょう。
このため、客観的な基準となりえないあいまいな言葉を使って募集することはNGということです。

「明るく接客できる方」で募集するのは何故だめなのか?


ここが一番のクライマックスで、実はインターネット上で人材募集についての解説サイトで「明るく接客できる方」「簿記に熱意のある方」というものを法的に問題ないとするサイトがそこそこ見受けられます。

また、逆に「明るく接客できる方」「簿記に熱意のある方」を問題ありとするサイトはほとんど(私の調べ方が足りないのかもしれませんが、今まで私が見た限り全然)見受けられません。

ネット上では「具体的な基準が入っていれば、あいまいな言葉が入ってもOK」という解釈が一般的のようです。

しかしながら、この「明るく接客できる方」にあいまいな言葉が入っていること自体は事実ですので、念のために東京労働局の職業安定法に詳しい専門部署の方に相談しましたところ、実は「このような言葉の使い方も間違っている」とのご指摘を受けました。

東京労働局の方のご回答

たとえば、「簿記に熱意のある方」についてですが、客観的な基準がそこに入っているからといって、それでもって基準があいまいな言葉を使うことが許されるかというとそれは間違いです。
採用の条件にするためにはあいまいな基準の言葉を使わずに客観的な基準である言葉を使う必要があります。
基準があいまいであれば、採用基準を恣意的なものに変えられるからです。

ということです。これが「簿記の経験3年」であれば客観的となり、問題ないことになります。
東京労働局の方によれば、「若年層に募集年齢を制限しない限り、職業経験を採用条件に書くことは法的に問題ない」といいます。なぜなら、ハローワークで既にそのような表記が多いからです。

インターネット上での解釈と東京労働局の職業安定法に詳しい専門部署の方の回答でどちらが正しいかはご自身でご判断願いたいと思います。
すなわち、「求職者に採用条件を提示する際にはあいまいな言葉を使うのはできるだけ避けて、客観的な基準がある言葉を使いましょう」というのが法的に正しい解釈のようです。

企業の皆さまがコンプライアンスを遵守される上で、この記事の内容が少しでもご参考になれば筆者としては幸いです。
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